今でもあるだろうかバンコク中央駅フアランポーン前の「ゴザスナック」

学生のころタイを中心に東南アジアを昆虫の調査で廻っていた。数ヵ月単位の調査を終え、帰国の前日はバンコクに戻り搭乗する飛行機の関係で1泊していた。その頃はスマホや地球の歩き方などはなかったので行き当たりばったり成り行きまかせだった。ホテルはタイ国鉄の起点駅フアランポーン駅の近くにあるシークルンホテルを定宿にしていた。

ある夜なにげに通ったフアランポーン駅の横の運河に架かる橋の上でゴザを広げ酒をふるまっている女性がいるのに気が付いた。興味本位でその前を2~3往復し、自分もゴザに座り、恐る恐る出される酒を飲んだ。1980年頃の話である。

その後も機会あるごとに飲みに行った。小さなグラスで出される酒は自家製の赤い薬草酒「ヤードン」で、滋養強壮、疲労回復、精力増進などに効果があるということを知った。つまみはその場で作ってくれる「ソムタム」、ヤードンもソムタムも驚くほど安かったのを覚えている。

ヤードンをふるまう女性たちはイサーン地方から出てきている貧困の人たちと受け止めた。 今でこそタイの文化に興味を持っているが、この言うなれば「ゴザスナック」が一番最初に興味を持ったタイ文化である。「ゴザ居酒屋」とも「ゴザバー」とも言われている。

フアランポーン駅前にゴザを広げ女性たちが自家製の赤い薬草酒「ヤードン」をふるまう「ゴザスナック」 彼女たちはタイ東北部イサーンの出身である 天秤棒がトレードマーク

彼は近くの常連さんのようだ ソムタムを作ってもらっていた

天秤棒にはハーフボトルに入った薬草酒ヤードンとソムタム作りに必要なものがのっている

タイ東北部イサーン名物ソムタムの出来上がり

お客を待つ「ゴザスナック」のイサーン出身の女性たち 明け方までお仕事とか

初タイの元職場の同僚が会いに来たので「ゴザスナック」へ案内した この夜は盛り上がりかなり飲んだ アルコール度数はそれほど高くはないが次々に足されるのでついつい飲んでしまう 飲んだ空きボトルを並べてみた 確か1本100バーツだった

異文化に触れものすごく喜んでくれ、タイ語はできないはずなのに会話していた(笑) これぞ真の国際交流だ (^^♪

子供みたいにソムタムを食べさせてもらっていた(笑) やさしい… 

いつの頃からか「ゴザスナック」は運河に架かる橋の上だけでなくフアランポーン駅の周りにまで広がりを見せていたが、その後どうなっているだろう。2019年の夏、元同僚と一緒に飲んだのが最後になっているが、このタイの文化は残って欲しいものだ。

投稿者: パッタイ

タイの自然や文化、人が好きです。

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