主展示ホールの展示品は、「ハリプンチャイ美術」と「ランナー美術」に大別される。ハリプンチャイ美術については、11世紀中頃~12世紀中頃以前と12世紀中頃~13世紀末の時代に更に分ける事ができる。11世紀中頃~12世紀中頃以前のものについては、東北インドのパーラ帝国の影響を受けたものや、タワラワディーの影響を受けたものであり、特にパーラの影響が見られるものは、後期大乗仏教の伝播との関連で注目される。12世紀中頃~13世紀末の時代の彫刻、塑像などには、後期タワラワディーの影響を受けたつながった太い眉、下を向きつりあがった目、少し開いた口などの特徴が見られる。ハリプンチャイ美術は、骨壺や水注などの焼き物にも見られる。
ハリプンチャイ王国の建国の時期については、チャームテーウィー女王が7世紀(663年)に即位したと言う伝承もあるが、はっきりしていない。ハリプンチャイ王国は13世紀末、メンラーイを始祖とするランナー王国に滅ぼされ、以後その支配下に入るが、もう一つの展示グループのランナー美術としては、このハリプンチャイ滅亡以降から現代美術までを対象として展示がなされている。
タワラワディー様式(9~11世紀) 1975年にランプーンのワット・トンケオ寺院で発見された

仏の頭部

ハリプンチャイ様式(後期タワラワディー・10~11世紀)ランプーンのワット・プラタート・ハリプンチャイ寺院から移動された










写真を撮ってもいいかと係官に尋ねたところ、フラッシュをたかなければよい、と。
ゆっくり見学させてもらったが、ハリプンチャイ王国とランナー王国およびその他周辺王国との関係が、時代とともに複雑に絡み合っていることがよく分かった。
博物館の場所は、ランプーンのワット・プラタート・ハリプンチャイ寺院の西隣にある。2017/4/26
Hari Phun Chai National Museum, Lampoon, N Thailand
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