ナコーンシータマラートを中心にしたタイ南部に「ナンタルン」と呼ばれる影絵芝居がある。これはインドネシアから入ってきたといわれ、タイ南部の伝統芸能となり古くから庶民の間で親しまれてきた。現在でもお寺のお祭りやお祝い事などがあると見ることができるが、その文化もしだいに薄れてきているという。
この影絵芝居ナンタルンで使われる人形は、なめした牛や水牛の皮などに細かい透かし彫りを施し、色を入れ、光を投影した時にその美しさがスクリーンに映し出される。
「スチャート・サプシン影絵博物館」の設立者スチャート・サプシン氏は、ナンタルン芸能でタイ王国国家芸術家として2006年に認定され、ナンタルン芸能の保存と継承に努めてきた。ナコーンシータマラートの郊外にある彼の住宅は、文化遺産を保存する施設になっている。
「スチャート・サプシン影絵博物館」 の入口

「影絵芝居」スクリーンの裏から影絵人形に光を投影し物語が展開される

50~100年前の影絵人形

左:第二次世界大戦中の影絵人形、右:1795年の影絵人形

影絵芝居上映中に演奏される楽器

博物館は2階建てで、2階が主な展示室になっている

インドやインドネシア、中国、トルコなど国々の影絵人形も展示されている

第二次世界大戦中および1947年の影絵人形

影絵人形すべてに名前がある

工房では職人さんが微細なノミとトンカチで細かい穴を空け影絵ゾウを制作していた

よく見るとデザインの下書きが施され、周囲は油を付けた小刀でカットするという

色もスクリーンに綺麗に出るように細い竹で作った筆を使い、特製の絵の具で染め付けるところも見せてくれた。彼女が精魂込めて作った影絵人形

博物館にはショップもあり、影絵人形のTシャツを3枚買った(笑)

影絵博物館訪問より前に、タイ南部をローカル列車で旅していたとき、列車内におじさんが影絵芝居に出てくる登場人物のキーホルダーを売りに回ってきた。ふつうはおばちゃんがご飯や飲み物、果物を売りに回って来るが、そのおじさんは影絵キーホルダーだけを携えていた。1つ10バーツ(33円)全種類買った(笑) 2015年夏

「スチャート・サプシン影絵博物館」 へは、ナコーンシータマラート駅近くからソンテウで送ってもらった。
博物館で説明を聞いていると、インドネシアで見たワヤンを思い出すと同時に、子供の頃いつも楽しみにしていた自転車で来る紙芝居をふと思い出した。 2019/10/19
Shadow play, Nakhon Sri Thammarat, S Thailand
全ての人形に名前があるとは愛情の深さを感じます。
タイの民芸品も繊細で素敵ですよね♪
いいねいいね: 1人
タイ人っておおらかで細かいことにこだわらないようですが、心はすごく大切にしているようですね。
いいねいいね: 1人