アユタヤ王朝(1350-1767)は,ビルマに滅ぼされるまで417年間にわたり33代の王が君臨した王朝である。創始者はラーマーティボーディー1世(ウートーン王)。スコータイ王朝からの流れは,スコータイがアユタヤに朝貢する形となり,その後100年かかってアユタヤ王朝がスコータイ王朝を併合し,スコータイ王朝は消滅した。
15世紀には,マラッカなどのマレー半島部でイスラム教に改宗する動きが起こり,さらには独立を宣言するようになったため、アユタヤ王朝はマレー半島南部を失った。
弾丸コイン(Bullet coins)の製造は,アユタヤ王朝では王のみの特権であった。刻印は,法輪やホラ貝,ガルーダ,象,蓮,花,兎,アンコール,錨など,50種類以上ある。貨幣価値は大きさにより,baht,2 salung,salung,fueng,2 pai,pai。低い通貨として,タカラ貝が使用されていた。
上面には王朝印(いくつものタイプある)が,前面には王印が打刻されている。


Ramathibodi Ⅱ(1491-1529)時代の弾丸コイン
ハスのつぼみの印刻(上)、仏教徒の法輪(下) 銀 14.58 g


Ramathibodi Ⅱ(1491-1529)時代の弾丸コイン
ハスのつぼみの印刻(上)、 仏教徒の法輪(下) 銀 14.62 g


ナライ大王(1656-1688)時代の弾丸コイン ハスのつぼみの印刻(上)、 仏教徒の法輪(下) 銀 14.71 g
1992年,タマサート大学近くの露天商で入手。 店主曰く,イボのような物(上)がついているのがアユタヤの特徴


ナライ大王(1656-1688)時代の弾丸コイン ハスのつぼみの印刻(上)、 仏教徒の法輪(下) 銀 14.68 g
同じくタマサート大学近くの露天商で入手。 当時はまだ良質のコインを見つけることができた。


銀,14.68 g


銀,14.68 g


銀,14.68 g