クメールの勢力が弱まってきた3世紀ころ,中国東南部より千年以上の年月をかけて南下を続け,11世紀ころにはタイ各地に都市をつくり始めていたタイ族が,13世紀になり統一国家を形成した。それがスコータイ王朝(1238~1438年)の始まりである。スコータイとは,「幸福の夜明け」を意味する。
第3代王ラームカムヘン(在位1279~1300年)のころ,飛躍的に国力をつけ,領土は現在のラオスから,西はベンガル半島,南は遠くシンガポールあたりまで広がっていたと云われている。タイ文字ができたのもこの頃である。




この貨幣には9種類の刻印がある。 ドヴァーラヴァティーやフーナンの特徴を示す模様も印刻されている。
1994年にチャトゥチャック市場 (バンコク)で手に入れた。 銀, 最大幅 23.4 mm 重さ 34.89 g


正面に王の印刻,その左右には切れ目が入っている。上面は輪に囲まれた象が印刻されている。
1993年にスコータイ市街に住む方に譲ってもらった。 赤い小さな布製の袋に入れ,大切に保存されていた。
銀, 最大幅 16.5 mm 重さ 14.58 g


銀 2.94 g


銀 3.58 g

銀 3.60 g 巻貝の刻印


銀 3.51 g 象の刻印


銀 3.58 g

銀 1.81 g

銀 1.58 g


タイ南部地方産. 1250~1350年代. Mitchiner,1979, 1998 Mitchiner & Pollard, 1990
象の刻印 銅 最大幅 33.0 mm 重さ 83.68 g